紅陽華 様投稿作品


「ずっと、この手を離さないからな…………」
俺は、リードと一緒に、ひなたの手を握り締めた。
心から誓う。決してひなたを傷つけない。決して一人にしない。
ずっと二人で、それこそ死が二人を別つまで。

俺はずっと、ひなたの傍にいてやるんだ―――――。






under the sunshine







「おう、三人とも、おはようさん」
「おはよう」
「みどー、おはよー♪」
「おはようございます、御堂さん」
互いに朝の挨拶を交わす俺達。いつもと変わらない事が、平和な日常を感じさせる。
「みんな、おはよう」
「おっ、珍しいな」
ついでに、とばりもやって来た。
本当に珍しい。普段は朝早くから手伝いに来る事なんか殆ど無いのに……
「何よ、その言い方?」
「あっ、いや別に。今日は早いんだな、って思ってさ」
「まぁねぇ………」
何だろう? 今日のとばりはやけに上機嫌だな………
「んじゃ、今日はペットショップやから、みんな張り切っていくで!」
「うんっ、がんばろーっ」
「はい、頑張ります」
「じゃ、始めましょうか」
「ああ」
そう言って、俺達はペットショップへと入るのだった。



「それでは、こちらの商品はいかがでしょうか?」
「すいませ〜ん、通りま〜す!」
「あわわ…お願いだから大人しくしてよ〜〜」
ペットショップは、相変わらずの盛況振りだった。全員、お客さんへの対応などで、忙しく店内を動き回る。
と、そこへ、
「すいません」
「はい」
俺は一人のお客さんに呼ばれて、対応に向かう。
俺を呼んだのは、一人の若奥様らしきお客さん。その隣には飼い犬のコリー。
「あの、トリミングの予約をした者なのですが………」
「はい、かしこまりました。――――ひなた」
俺は、ゲージの中の動物達を扱っていたひなたを呼ぶ。
「何? ご主人様」
「トリミングのお客さんが来たから、手伝い頼むぞ」
「うん、分かったよ」
ひなたは答えて、俺と一緒にトリミング専用の部屋へと行く。



あれから、暇な時を見つけては練習を重ね、俺はちゃんとトリミングが出来る腕前になっていた。
それと同じく、ひなたも俺のトリミングの助手としての腕を磨き、アシスタントを任されるようになった。
「それじゃあ、始めるか」
「うん」
チョキ、チョキ、チョキ………
「………」
俺がはさみを動かすのを、瞬きせずに、真剣に眺めるひなた。
アシストするタイミングを見逃さない為だろうが………ちょっと真剣すぎて、少し怖い顔になってるぞ………
そして、数十分後――――。
「よし、終わり。ありがとな、ひなた」
「えへへ〜〜♪」
褒められた嬉しさを顔に出して喜ぶひなた。
「どうも、有難うございました」
「また、お越しください」
「またね〜♪」
俺とひなたは、店から出て行くお客さんとコリーを見送って、再び仕事に戻る。




時間は昼時。御堂に昼休みの許可が下りた。
「わ〜い、ごはんごはん〜♪」
「ひなたは相変わらずねぇ………」
「あはは………」
俺とひなた、とばり、美和の四人で公園に行く。
「いっただっきま〜す♪」
「んじゃ、いただきます」
ひなたは真っ先に美和のお弁当に手を伸ばす。
「そういえば、とばり。今日は何か良い事でもあったのか?」
「え? 何でそう思うわけ?」
「う〜ん……何となく、かな」
ホントは「今日はやけに上機嫌だな」って聞こうとしたけど、そう聞いたら「何よ。まるであたしが普段から機嫌が悪いみたいじゃない」
って言われたら嫌だからな。
「ああ、実はね……私に彼氏が出来たからよからよ」
「へぇ、彼氏が?」
「ええっ、か、かかか、彼氏!!?」
俺と美和が驚く。って美和少しリアクション大袈裟すぎないか?
「…ねぇ、ご主人様。かれしって、何?」
ひなたが俺に聞いてくる。
「ん? ああ、彼氏っていうのはな、恋人の事だ」
「へぇ〜、そうなんだ。良かったね、とばりちゃん」
彼氏が出来た事を祝福するひなた。
「で、相手は誰なんだ?」
一応俺は聞いてみる。とばりは猫耳っ子だから、当然彼氏も猫耳っ子なんだろうけど……
「あたしのご主人様よ」
「へぇ………」
そうか、とばりのご主人様か…………………え?
「お、おいとばり、今なんて……?」
「ん? だから、私の彼氏はご主人様よ」
「えっ、えぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!??」
いや、だからリアクションが大袈裟だぞ美和………
まぁ、驚くのも無理はないかもしれないが。
「しかし、とばりってやっぱり主人がいたんだな」
「ええ」
「それで、どういう経緯で恋人に?」
「まぁ、話すと色々と時間がかかるんだけどね」
とばりは、自分と自分の主人と恋人同士になった経緯を教えてくれた。
何でも、最初に告白したのはとばりの方で、だけどとばりのご主人様はそれを断った。
「もしも、自分が人間のように一人で何でも出来るようになれば、今度は恋人として見てもらえるかもしれない」
そう思ったとばりは、勝手に家を飛び出して、一人で生きてけるようになる為に仕事探しを始めたそうだ。
で、その後教会の神父さんに教会に住ませてもらう代わりに教会の孤児達の遊び相手になる事となった。
そして俺と繁華街で出会って――流石にあの事は言わなかった――FRIENDSでたまに手伝いに来るようになり、そして一週間前に、
ご主人様とバッタリ鉢合わせになったそうだ。
そして、家に連れ戻されて、実はとばりのご主人様もとばりの事が、恋人として好きだったらしい。
ただ、勇気が無くて、とばりの気持ちを受け止められなかったとか。
「で、今はめでたく恋人同士になれたって事」
「そうか………」
そうか、とばりはずっと自分の気持ちを好きな人に届ける為に、一生懸命頑張って、ようやく叶える事が出来たんだな。
だけど、俺は――――――。
「………どうしたの?」
「あっ、いや、何でも無い」
俺はそう言って誤魔化し、食事を再会するのだった。
「………ふぇ?」





その夜。
俺は夢の中にいた。何故かは知らないが、そこは月明かりに照らされた花畑のようだった。
そこには、誰かが立っていた。俺はその人を知っている。
金色の髪と、耳とシッポ。そしてその白いワンピース姿の彼女は………
「………さち…?」
間違いない、さちだ。ひなたをさちと重ねて見なくなれてから、もうかなり経つのに、何で今更夢に?
「さち?」
俺は、さちに呼びかけながらゆっくりと近づく。さちが、こちらに顔を向けた。
その表情は、悲しそうな、少し怒っているような、そんな表情だった。
どうしてだ、さち? 何でそんな顔をするんだ?
「ご主人様は、臆病過ぎです」
開口一番のさちの一言は、それだった。
「いつまで、自分の気持ちを偽り続けるつもりなんですか?」
臆病? 偽り続ける? 俺が?
「な、何の事だよ………?」
「ご主人様は、ひなたちゃんが恋人として″Dきだったんでしょう? なのに、何故その気持ちを封じ込めてしまったのですか?」
「だっ、だって…しょうがないだろ。俺は知らず知らずの内に、ひなたをさちと重ねて見てたんだ。そんな事を続けてたら、俺は一生アイツ
を傷つける事になる………だから…」
「だから今度は私の所為にして、一生逃げ続けるつもりですか?」
「っ!?」
何なんだ。この棘のある言い方は? 明らかに俺の知ってるさちじゃない。
「……大丈夫ですよ」
「……え?」
しかし、さちはすぐに俺の知っている優しい口調で言った。
「ご主人様なら、きっともう一度、ひなたちゃんを恋人として好きになれます。勿論、私の影と重ねずに」
「…………そうかな…俺に、出来るのかな………」
「ええ、ご主人様はとってもぴゅあなはーと℃揩チてる優しい人です。きっと大丈夫です。私は、ご主人様の事、信じてますから―――」
そう言った後、さちの姿が徐々に薄くなり、見えなくなっていく。
「あっ…さち!」
「ご主人様、この事だけは、決して忘れないでください――――――」
―――ひなたちゃんに幸せを与えられるのは、ご主人様以外にいなんですよ―――
その言葉を残して、俺の初恋の人は消えてしまった。



「…………」
俺は目を覚ました。一応時計のライトを点けて見ると、もう深夜一時半。
俺の隣では、ひなたがすやすや気持ちよさそうに眠っていた。
「……変な夢見ちゃったなぁ……」
それにしても、気持ちを偽ってる、か……確かにそうかもしれない。
まぁ、そうしなければ、ひなたと一緒に居ることなんか叶わなかったもんなぁ………
「くぅ…すぅ……ご主人様ぁ……すぅ…」
俺は、隣のひなたを見る。
今の俺達は、主人と耳っ子のただの主従関係でしかない。
でも、もしも、あの時のように。
さちと同じように、恋人同士の関係に戻れるのなら――――。
「………戻れるのなら、戻りたい」
それが、俺の本当の気持ちだった。
とは言っても、何をキッカケに戻ればいいんだろう………
「……あ、そういえば……」
そういえば、今は今日で、今日は五月二十三日。ひなたの誕生日だ。
「そっか……じゃあ、アレを渡してみるかな……… 逆効果にならなきゃいいけど」
俺は一つの決意と計画を胸に秘め、再び眠りに就くのだった――――。





「ひなたちゃん、お誕生日おめでとー!!」
予定通り、閉店後に喫茶店内でひなたの誕生日パーティーが行われた。
俺達の他にも、とばりのご主人様や知り合いの金沢病院のみんなも来てくれた。
「ひなたんおめでとー! はいコレ! ボクからのプレゼントだよ♪」
「わぁ〜、ありがとうケンタ!」
みんなからのプレゼントに喜ぶひなた。
「それじゃあ、早速ケーキ食べよっ!!」
「はは…ひなたったら食いしん坊ね」
「まぁ、元気でいいじゃないか」
というわけで、俺が早速ケーキを――ケーキや料理は、当然例のファンクラブの人達からのプレゼント――切っていく。
他にも来る人を予想していたのか、ケーキは大きく、しかも二つもある。これなら人数分に分けれそうだ。
「「いっただっきまーす!!!」」
「あっ、こら! 二人ともフライングで先に食べない!!」
「ははは………」
こうして、楽しい誕生日パーティーの時間は過ぎていくのだった………



「たっだいまー」
「ただいま」
パーティーが終わり、俺達は自宅に戻る。
「お帰りなさい、ご主人様♪」
先に上がって俺に振り向いて「お帰りなさい」を言う。これもひなたの日課だ。
「それじゃ、お風呂入れてくるね」
「ああ、頼む」
そう言って、ひなたはバスルームの方へと行った。

「ふぅ〜、スッキリした」
俺は風呂から上がり、後は寝るだけなのだが……
「ねぇ、ご主人様………」
ひなたが上目使いで、こちらを見てくる。
「あの…… 今日は、いい、かな…………?」
まるで小さい子供が、おどおどしながら親におねだりするように言う。
俺は当然、
「ああ、いいぞ」
そう答えた。
ひなたが望む事をするのが、ひなたの幸せに繋がるのだから――――。







「んっ、ふむ、んくっ………」
ひなたは自分の口の中に、俺のを奥まで含んでいた。
最初はただ勘で、しかもぎこちなかったフェラも、今となってはとても上手くなっていた。
「んむ……ご主人様、気持ちいい?」
「ああ、気持ちいいよ」
「えへへ、良かった………はむっ」
ひなたはまたフェラに集中する。俺は、ひなたの頭を優しく撫でてやる。
「ちゅる、ちゅ……」
「うっ……ひなた、そろそろ……くっ!」
「んんっ! ――――んっ、んむぅ……」
俺はひなたの口の中で射精してしまった。で、ひなた本人は………
「………ごっくん」
「…前にも聞いたけど……俺の精液飲んで、大丈夫なのか?」
「うん、だってご主人様のだもん」
そう答えるひなた。でもなぁ……
普通に考えて、精液が美味しいワケないし………まぁ、いいか。
「……あんっ」
俺は、ひなたの大切な部分を手で撫でる様に触る。
「もう、こんなに濡れてるんだな……」
「はぅ…だってぇ……」
「じゃあ、いくぞ………」
「うん………」
俺は自分のを、ひなたの中へ、ゆっくりと入れる。
「んっ………あうんっ!」
「全部入ったぞ、ひなた……」
「うん……ご主人様の、とっても熱い……」
俺は暫くひなたの中の熱を感じて動き出す。
「あっあんっ、ふぁぁんっ!」
俺の動きに合わせてひなたが喘ぐ。
後ろからが好きだったひなたは、最近になっては正常位の方が好きなった。きっと俺の顔を見れるからだろう。
「ひぁっ……ご主人様、ご主人様ぁっ!!」
「ひなた………」
「はぁ…いいっ、気持ちいいよ、ご主人様ぁ………」
ひなたは恍惚の表情で俺に言ってくる。
「ご主人様ぁっ……はぅんっ」
「ひなたっ…………」
「ご主人様っ、ボクっもうっ……お願いっ…一緒に………」
「ああっ、一緒に………!」
「ふぁっ、ひぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
そして、お互い一緒に絶頂を迎える。
「はぁ、はぁ……ご主人様ぁ………」
俺は絶頂を迎えたひなたの唇に、優しくキスをしてやる。



「そうだ。実はな、こんな時に渡すのもアレなんだけどな―――、ひなた、お前にとっておきのプレゼントがあるんだ」
「とっておきの………? 何?」
「コレだ」
俺がひなたに見せたそれは………
「首輪……?」
そう、首輪だ。今ひなたが付けている物より小さく、色も青。
でも、コレはただの首輪じゃない。
「これはな………本当は、さちにプレゼントするものだったんだ」
「えっ……さち、おねえちゃんに………?」
「ああ」
まだ専門学校にいた時、さちと恋仲になれた証として、プレゼントするつもりだった。
だけど、さちは死んだあと、さちがくれた手紙と一緒に、大切に保管しておいたのだ。
「で、でも…… それ、ご主人様がさちおねえちゃんにプレゼントする為のものだったんでしょ? ボクが貰っていいの?」
「当り前じゃないか。確かにさちは俺の好きな人だった。だけどな――――」
俺はゆっくりと優しく、ひなたに言う。
「さちは、もう死んでしまったから――――。そして、今はひなたが好きだから、プレゼントするんだ」
「…………ご主人様…………」
「別に俺は、ひなたをさちの代わりとして好きになった訳じゃない。俺は本当に、純粋に、今はひなたの事が好きなんだ。だから、この首輪
は、俺の大切な人に――――大好きなひなたに、プレゼントするんだ」
「……ご主人様……ありがとう……」
ひなたの目から、一筋の涙が流れた。
俺はひなたが今付けている首輪を外して、青い首輪を付けてやる。
「ひなた……ずっと、愛してるぞ」
「ボクも、ご主人様の事、ずっとずっと、大好きだよ――――」







そして、一年後の五月二十三日―――――。









教会の扉を開けて、外に出ると………
「二人ともおめでとう!」
「おめでとー!!」
ボクとご主人様は、みんなから沢山の花を投げてもらう。
コレはフラワーシャワーと言って、花の香りでまわりを清め、新郎新婦の幸せをねたむ悪魔から守ってくれるらしい。
そう、コレは、ボクとご主人様の結婚式。
お日様が輝く青空の下、ボクは純白のウェディングドレスを着て、純白のタキシードを着たご主人様と手を繋いでいる。

キッカケは、とばりちゃん。
十二月十九日、とばりちゃんに「明日の結婚式に招待してあげる」ってとばりちゃんに誘われた。
ご主人様が、「誰の結婚式だよ?」って聞いたら、
「もちろん、あたしとご主人様の結婚式よ♪」
「「えぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!」」
って、ご主人様と美和ちゃんが凄く驚いたのを覚えてる。
その時に見た、ウェディングドレス姿のとばりちゃんは、とっても綺麗で、美しくって…………
結婚式の帰りに、「ボクもとばりちゃんみたいな綺麗な服着てみたいな〜」って言ったら、
「じゃあ―――、俺達も…結婚、しようか?」
「―――え?」
そして、結婚式の日は、とばりちゃんと同じで、ボクの誕生日にして、前日にみんなに教えて驚かせる事に。
「明日ね、ボクとご主人様、結婚式するんだよっ!」
「ほぉ、お前らもかいな!」
「そう。 それじゃ、神父さんに言っておくわね」
「えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!!!!!」
美和ちゃんの驚く顔、面白かったなぁ―――。

そして、今日がその結婚式。
神の前での誓い、指輪の交換、誓いのキス。そしてそれが終わって、今はみんなからの祝福の花を浴びながら歩いている。
そして、遂にブーケ・トス。
このブーケを受け取ると、次に結婚出来るっていうジンクスがあるんだって。
その所為か、女の人はみんな――既婚者のとばりちゃんを除いて――やる気満々だ。
(まぁ、相手は決まってないけど……記念にやってみましょう)
(アレをキャッチ出来れば、拓也さんと結婚……フフフ………)
(私も………とりあえず、やってみようかな)
(やっぱり結婚式で、女性ならコレに参加しなきゃね)
ボクとご主人様の結婚式に来ている女性が、前に出てくる。
何だか、みんな凄くピリピリしてるような………
「それじゃ、ひなた。後ろ向きで思いっ切り放り投げるんだぞ」
「うん、じゃ、いっくよ〜………そ〜れぇっ!!!」
ボクはご主人様に言われた通り、思いっ切り放り投げる!
「いっくわよーっ!!」
「きゃあっ!」
「うわっ、有紀さん気合入れすぎ!」
ゆーきちゃんが美和ちゃんとまゆみちゃんが驚く程の速さでブーケを取りに行く。
「よっしゃもらったぁっ!!!」
ゆーきちゃんの手がブーケに伸びる! だけど………
「………え?」
「悪いわね、有紀」
ブーケをキャッチしたのは、美奈先生だった。
「うわぁぁぁん!! お姉ちゃんのオニー! アクマー!」
「何とでも言いなさい。アナタにはまだ早すぎよ」
「どうせそんな事言って、そんなの取っても結婚相手なんかいないんでしょー!!」
「なっ……うるさいわね! それは関係ないでしょう!!」
何か色々言い合ってる……… ブーケ・トスって、女性にとっては凄く大事な事なんだなぁ………
「さて、次はブートニア・トスだな」
「ブートニア・トス?」
「ああ、この胸元に飾ってる薔薇をだな………」
ご主人様はそう言って、胸元の赤いバラの花を、
「それっ!」
高く放り投げた。
「ってうぉいっ!! イキナリかいな潤!」
「えっ、えっと、ええぇ!?」
みどーとシュウが慌てふためく。あのバラ、誰が取るんだろう?
「よしっ、もらっ……」
「よぉし……」
「「うわぁっ!!!」」
更に、今度は取ろうとしたセイヤ君と宗像さんがぶつかって、そして………
「……………ほぇ?」
赤いバラは、ケンタの頭の上に落ちた。
「マ、マジかいな………」
「くそっ、あの時衝突事故さえ起こさなければ……」
悔しがってるなぁ、みんな………
「ねぇねぇ、ご主人様」
「何? ケンタ」
「このバラ取ったらさ、好きな人と結婚出来るの?」
「さぁ…? 断言は出来ないわね」
「そっか…… でも、大事にとっておこう。お願いしたら叶うかも」
「……? ケンタ君って、結婚したい人、いるの? 誰だれ?」
「ひ・み・つ♪」
ケンタ、嬉しそうだなぁ……… いつか、好きな人と結婚出来るといいね♪
「ひなた………」
「ご主人様」
ご主人様が、ボクの方を向く。
「――――誓うよ。俺はずっとひなたの傍にいる。そしてひなた、お前を幸せにする」
「ボクも、ずっとご主人様の傍にいるよ――――。ずっとずっと、愛してるよ」
ボクとご主人様は、輝くお日様の下で、もう一度誓う。





ボクとご主人様は、ずっと一緒にいる。
ずっとずっと、それこそ死が二人を別つまで。
お互いが傍にいる事に、幸せを感じながら。
ボクとご主人様は、新しい未来へ、一歩ずつ歩いて行く―――――。























後書き
ひなた、お誕生日おめでとう!!(いや遅いから。コレ書き終わってんの六月だから)
というわけで、If story第二弾は、「もしも潤とひなたが主従から再び恋人同士に戻ったら」です。
一応、誕生日お祝いSSも兼ねてます。何処の部分がかって?

ひなたんに純白のウェディングドレスを着せた事に決まってるじゃあないですか!!(コラそこ、フツーは食い物ネタだろとか言わない!)
まぁ、ぶっちゃけた話、ひなたにウェディングドレスを着せたかった為に書いたわけでもあるのですが。
だって、とばりは本編ENDでウェディングドレス着てるし、さちはMさんのSSで着てるし。
ここでひなたを仲間外れにするわけにはいかないなと思って。で、それが出来るのは自分しかいないっ!って思って、書き始めたんです。

ちなみに、ちょっとキャラ変えすぎじゃないか?って部分(さちとか美和とか)は少し勘弁してください。
話の都合上、こういう演出が必要だったので…………



以上、遂に自分の野望を叶えることに成功した紅陽華でした。ではでは〜♪




PS:言うまでも無いことですが、今回のSSのタイトルは主題歌の『moonlight』の部分を『sunshine』に変えたものです。


































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