紅陽華 様投稿作品

今日は2月13日。
バレンタインデーの前日です。
ここ、潤のマンションには、特別に休みを貰ったお馴染み3人の女の子。
「よ、良かったのかなぁ、勝手に休み貰っちゃって……」
「大丈夫よ。今日は喫茶店の方じゃ無いんだし」
美和の心配を一蹴するとばり。
「ねぇ、今年のバレンタインは、何作るの?」
「うーん、それなんだけどね…」
ひなたが聞いてきます。
そういえば、去年は何とカカオ豆から、本当に『手作り』のチョコレートをプレゼントしました。
(Mさんの『真の手作りチョコレート』の作り方参照)
が、流石に今回はそんな無茶は出来ません。ってかやったらパクリですから、それ。解ってますね? 紅陽華さん。
「というワケで、今回は……」
そういうと、とばりは立ち上がり、こう言いました。
「チョコレートケーキを作ってみようと思うの!」







Valentine's Dayはケーキで決定!








「……チョコレートケーキ、ですか?」
同時刻。ココは金沢家。
有紀の一言にちょっと驚いてるまゆみ。
「そう! バレンタインって、基本的に普通のチョコとか、手作りチョコとかだけど、ケーキって意外性ついてると思うのよね!」
有紀は自信たっぷりに言います。
そこに、姉の美奈が、
「で、どんなチョコレートケーキにするのかは決めてるの?」
「うん、大体はね。とりあえず論より実行! もう早速製作に取り掛かるよ!」
こうして、偶然にもバレンタインデーの贈り物はチョコレートケーキを作る事にした
2組の女の子3人組みなのでした。





一方、その頃の男性と男の子達はというと……
FRIENDS側。
「明日はバレンタインデーやな、潤」
「あぁ、そーだな」
早くもバレンタインの事で話が持ち切りの様です。
「ご主人様達は、今頃どんなチョコレートにしようか迷ってますね」
そういうシュウはどうやらみんなが贈るチョコレートは「何処かのデパートで購入したもの」だと思っているようです。
「とっても楽しみですね〜、潤さ…ひっ!」
「ん? どうした、シュウ?」
シュウが急に怯えたので、何事かと後ろを振り向くと…
「……今年こそは…今年こそは絶対に……!」
「…うっわぁ………」
何だか、とてつもなく黒いオーラを纏った拓也がいるのでした。

SMILEY側。
「今年のバレンタインデー、何が貰えるのかな〜」
「はは……ケンタ、気が早いなおい」
こちらもバレンタインデーの贈り物が気になって仕方がない様です。特にケンタは。
「まぁ、男の子なら誰だって気になるものね、バレンタインデーは。「別に気にしてないよ〜」とか言ってる男子に限って、
かなり気にしてたりするものなんだよね〜」







1:まずは土台作りから
「じゃあ、まずはスポンジケーキからね。ひなた、卵割ってかき混ぜて」
「はーい」
言われた通り、卵を割って、電動かき混ぜ機でかき混ぜるひなた。
暫くして…
「えっと、これでいい?」
「うん、そんなものね。じゃあコレを」
「それ何?」
「コレはココアパウダーよ。コレを入れて、スポンジの方もチョコレート味にするの」
とばりはひなたに簡単に説明して、ココアパウダーを入れます。
「じゃ、ひなたもう一度かき混ぜてね」
「うん、解ったよ」
再びかき混ぜるひなた。
「ところで、形はどんなのにするの?」
「そうねぇ… 長方形型にしましょ」




「えーっと、かき混ぜはコレで十分ですね」
「で、有紀、この後コレに何か混ぜるの?」
「うーんそれなんだけどねー、考えに考えた結果……」
有紀が振り向いて、
「コレ入れようと思うんだけど!!」
そう言って、二人に見せたものは……
「…ココアパウダーと……コーヒー豆?」
「まさか、両方入れるつもり?」
「当然! なんか特別な事やってみたら美味しくなるとか、そういう法則あるでしょ!?」
別にありません、そういう法則。まぁたまにありますが、普通は無いです。
「ま、まぁ、別に良いんじゃないんですか?」
「どりあえずコレらをドバーっと…」
「ドバーっとはダメよドバーっとは!!!」
「わ、解ってるって……適量適量、と」
有紀は粉末にしたコーヒー豆と、ココアパウダーを生地に入れて混ぜる。
「さっ、後はオーブンで焼くだけね。形は勿論円でっ!」



2:次は中身
スポンジケーキが焼き上がり、次はその間に挟むものを決めます。
「生クリームは出来てるんだよね……後は、イチゴとバナナにする?」
「う〜ん…やっぱりそこは無難にそれにしましょう」
やっぱりチョコレートに合うのはイチゴ(コレはちょっと微妙ですが)とバナナですね。
早速、スポンジケーキを横から切って、上と下に分けます。
次に生クリームを塗り、斬ったイチゴとバナナを乗せ、再びクリームを塗って……
「待って待って!」
「ん? 何、ひなたちゃん?」
突然待ってと言うので、美和がひなたに聞いてみると、
「コレも使おっ」
そう言ってひなたが見せたのは、カスタードクリームでした。
「あぁ、そういえばそういうのも用意してたわね。よし、折角だから使いましょ」
「わーい♪」
許可を得て、ひなたは嬉しそうにイチゴとバナナの上にカスタードクリームを塗ります。
そして、その後は再び生クリームを塗り、上を被せれば出来上がり。




「良い臭い〜」
「さてと……じゃあ、コレの間に何か挟むの?」
「うん、生クリームと、その上にコレ!!」
そう言って有紀が見せたのは……
「……何コレ?」
何かよく解らないけど、何かの『粒』でした。
「何なんですか、コレ?」
「アーモンドとピーナッツを砕いて混ぜてみました」
「それを入れるの?」
「ほら、ピーナッツとかアーモンドとか、よくチョコレートと一緒に入ってるじゃない! 絶対合うって!!」
力説する有紀。
「……しょうがないわね」
「じゃ、入れるね〜」
有紀はピーナッツとアーモンドの粒を適度に蒔き、更にその上にチョコクリームを塗ります。
「さぁ、後は生クリームと上の部分を被せるだけっと」



3:仕上げは飾り付け
ココまできたら、後はどんな外見にするかだけです。
「やっぱりここは、普通に溶かしたチョコをかけて冷やして固めた方が良いわね」
「じゃあ、その上に『Valentine's Day Present!』ってペイントしよっか?」
「よし、それで決まりね!」



「外見なんだけどね……ココはホワイトチョコレートと普通のチョコレート混ぜたのを使ってみようと思うの!!」
「相変わらず凄い思いつきですね……」
「…もう、ここまできたら貴女に任せるわ。……って言ってももう仕上げだけどね」







そして、バレンタインデー当日。
男性陣の皆は閉店後のFRIENDSに集まっていた。
「何が貰えるのかな〜♪」
「楽しそうだな、ケンタ」
さっきからバレンタインの贈り物が気になってしょうがないケンタは、シッポを左右に振っています。
「それにしても、FRIENDSに呼び出すなんて、どういう事だろ?」
「みんな、おっ待たせ〜♪」
そう言って現れたのはひなたです。
「今日はね、みんなにバレンタインデーのプレゼントでチョコレートケーキ作ったんだよ!」
「へぇ、ケーキか。そういうのは珍しいな」
「というワケで、早速食べてみてよ。紅茶もあるからね」
とばりとみゆきがケーキを、有紀と美奈は紅茶を運んできます。


潤と拓也には、ひなた、とばり、美和が作ったチョコレートケーキ。
中にイチゴとバナナを入れて、チョコレートでコーティング。
更に上には、『Valentine's Day Present!』の白文字が。



ケンタ、セイヤ、シュウ、晴彦の四人には、美奈、有紀、まゆみの作ったチョコレートケーキ。
コーヒーとココアパウダーを混ぜたスポンジケーキ、
間にはピーナッツとアーモンド、
更に普通のチョコレートとホワイトチョコレートを混ぜてコーティングした(ホワイトチョコレートの面影はありませんが…)
有紀の思いつきが多数(というか全部)採用されたケーキです。




「まぁ、とにかく食べてみてよ! 自信作なんだから!!」
というワケで、早速食べる事に。
まずは、ひなた達のケーキの方ですが……
「……お、コレ旨いな」
「コレはっ……中々どうして…美味やないかっ!!」
何か拓也は少しオーバーな気もしますが、どうやら凄く好評の様です。
「やったぁっ! ご主人様とみどー、おいしいって!」
「良かったね、ひなたちゃん」
「まぁ、私達が本気を出せばそれは当然よ」
一方、こちらは美奈達の作ったケーキはというと……
「……コレは……なんていうか、新しいな…特にナッツ類の食感とか、スポンジの味とか」
「まさに、「この発想は無かったわ」って誰かが言いそうな味ですぅ……」
「つまりよく言う、『斬新なアイディア』をふんだんに使った、特徴的な味… まぁでも結論は……」
「おいしーっ! これ美味しいよー!」
どうやらこちらも好評の様です。っていうかケンタ以外の皆さん回りくど過ぎですよ。
「でしょ? やっぱ私の案を取り入れたのが良かったのよ!」
「確かにね。今回の成功は有紀のお陰ね」
「今年のバレンタインも大成功ですね♪」










暫くして。
「じゃあな」
「それじゃあね」
「ばいばーい」
ケーキを食べ終わり、後片付けも終わって、皆は家路に着きます。
但し拓也のみまだ店内に残ったまま。
「………ん?」
そこで、拓也は『ある物』を見つけました。
何やら丁寧に包装されています。横には一通の手紙。
「何や?」
拓也はその手紙の文章を読んでみます。

『拓也さんへ

すいません、ケーキ作りが忙しくて、
こっちの方は普通にお店で買った物になってしまいました。
来年はもっとちゃんとしたチョコレートを贈るので、
今から期待しててくださいっ!

金沢有紀』
「……有紀ちゃん……俺の分を特別に…?」
拓也は、何だか胸に熱いものが溜まるような気持ちになりました。
良かったですね、拓也さん。







「――しまった! 『義理じゃないですよ?』って書くの忘れてたぁっ!」


















後書き。
何故、バレンタインなのにケーキ作りの話になったのか。
まぁ、聞いてください。話せば長くなるのですが……


何か、普通にチョコ渡すだけじゃつまらないな。
         ↓
かといって、やっぱりMさんみたいにカカオからってのは無理あるよな…つかパクリだし。
         ↓
そうだ、ケーキとかどうだろ? バレンタインならチョコレートケーキだよな。


とまぁ、そういう経緯で、こういうお話になりました(全然長くないwww
まぁでも、一番書きたかったのは最後の部分だったりするかもしれません。
『成就しそうなのになかなかフラグが立たない恋』ほど萌えるモノはありませんよ!!
………よくあるパターンですが。



思えば、『ぴゅあぴゅあ』を初めてプレイしてからもうかなり経ちましたね…四年くらい?
今後も更に(ネタがあれば)投稿続けていきたいと思います。
それでは、今日はこの辺で。




ホワイトデーはどうしようか……
ホワイトデーといえばお返しとして白いモノぶっかけるというエロネタがあったな……

いや、やりませんよそんなネタ? ……多分。











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